筋トレをするヴィーガンはタンパク質をどう摂ればいい?

筋トレをするヴィーガンはタンパク質をどう摂ればいい?

筋トレをするヴィーガンでも、豆類・大豆製品・穀物・ナッツ類などを組み合わせれば、必要なタンパク質を摂取できます。ポイントは、肉や乳製品を単純に抜くだけでなく、1日の総量を確保し、毎食にタンパク質源を入れることです。

筋トレをするヴィーガンのタンパク質量の目安

筋肉を増やしたい人や筋トレを継続している人は、まず体重1kgあたり1.6〜2.0g程度のタンパク質を1日に摂ることを目安にできます。減量中や、植物性食品の消化・吸収率を考慮して余裕を持たせたい場合は、1.6〜2.2g/kgを検討することもあります。

体重 1.6g/kgの場合 2.0g/kgの場合
50kg 80g 100g
60kg 96g 120g
70kg 112g 140g

上の数値は計算例です。たとえば体重60kgなら、計算式は「60kg×1.6〜2.0g」で、1日96〜120gが目安になります。年齢、トレーニング量、減量の有無、現在の食事量によって適切な範囲は変わります。

ヴィーガンがタンパク質を摂れる食品

ヴィーガンの食事では、主食だけでタンパク質量を満たすのは難しいことがあります。毎食、次のような食品を組み合わせると、必要量を計画しやすくなります。

食品群 主な食品 取り入れ方
大豆製品 豆腐、納豆、 tempeh(テンペ)、豆乳、大豆ミート 主菜や間食にする
豆類 レンズ豆、ひよこ豆、黒豆、いんげん豆 カレー、スープ、サラダに加える
小麦などの穀物由来食品 全粒パン、オートミール、パスタ、セイタン 豆類や大豆製品と組み合わせる
種実類 ピーナッツ、アーモンド、かぼちゃの種、チアシード トッピングや間食に使う
補助食品 植物性プロテインパウダー 食事だけで不足するときに使う

食品ごとのタンパク質量は商品や調理状態によって異なります。購入した食品の栄養成分表示を確認し、実際の摂取量を計算してください。

特に使いやすいのは大豆製品

大豆製品は、植物性食品の中でもタンパク質を補いやすい食品です。豆腐や納豆を主菜にしたり、豆乳を飲み物やオートミールに使ったりすると、食事に組み込みやすくなります。

大豆製品だけに偏る必要はありません。豆類、穀物、種実類などを組み合わせると、食品の種類を増やしながらタンパク質を確保できます。

植物性タンパク質は組み合わせて摂る

食品によって、含まれるアミノ酸の種類や割合は異なります。アミノ酸はタンパク質を構成する成分で、筋肉の材料にもなります。

以前は「米と豆を同じ食事で必ず組み合わせる」と説明されることがありましたが、毎食完璧に組み合わせなければならないわけではありません。1日の中で豆類、大豆製品、穀物、種実類などを組み合わせることを意識すれば、食事全体でアミノ酸の偏りを補いやすくなります。

  • 豆類と米・パン
  • 豆腐や大豆ミートと穀物
  • レンズ豆と全粒パスタ
  • オートミールと豆乳、植物性プロテイン

1回の食事で摂る量も分けて考える

1日分を1回の食事にまとめるより、3〜5回程度に分けて、毎回タンパク質を摂るほうが実践しやすくなります。1回あたりは、体重1kgあたり0.3〜0.4g程度を一つの目安にできます。

仮に体重60kgなら、1回あたり18〜24gが計算上の目安です。1日4回に分ける場合、単純計算では合計72〜96gになりますが、必要量に合わせて食事量や補食を調整します。

植物性食品は、同じ重量の動物性食品と比べてタンパク質量が少ない食品もあります。そのため、野菜だけの食事にせず、主食とは別に豆腐、豆類、大豆ミート、豆乳などを意識して加えることが大切です。

筋トレ前後は何を食べればいい?

筋トレ前後の1食だけで結果が決まるわけではありません。まずは1日の総タンパク質量を満たし、そのうえでトレーニングの前後にタンパク質を含む食事や補食を入れます。

  • 筋トレ前:豆乳、豆腐を使った食事、植物性プロテインなどを、消化に無理のない量で摂る
  • 筋トレ後:大豆ミート、豆類、テンペ、豆乳、植物性プロテインなどを含む食事を摂る
  • 食欲がない場合:豆乳や植物性プロテインなど、液体で摂れる食品を補助に使う

食物繊維が多い豆類は、人によっては運動直前に食べると胃腸の負担になることがあります。筋トレ直前は量を控え、豆乳やプロテインなど、自分が消化しやすい食品を選ぶと調整しやすくなります。

植物性プロテインは使ってもいい?

食事だけで必要量を満たせない場合、植物性プロテインを使っても問題ありません。プロテインは必須ではなく、不足分を補うための食品として考えます。

主な原料には、えんどう豆、 soy(大豆)、米、麻などがあります。商品を選ぶときは、次の点を確認してください。

  • 1食分あたりのタンパク質量
  • 原材料に乳成分や卵など、避けたい動物性原料が含まれていないか
  • アレルギー表示
  • 甘味料やカフェインなど、用途に合わない成分が入っていないか
  • 品質管理や、商品に表示された摂取方法

植物性プロテインは商品によってタンパク質量やアミノ酸組成が異なります。複数の植物性原料を使った商品や、大豆・えんどう豆などタンパク質を補いやすい原料の商品もありますが、名称だけで品質や効果を断定せず、栄養成分表示を確認してください。

ヴィーガンの筋トレ食で不足しやすい栄養素

タンパク質だけを増やすと、食事全体のバランスが崩れることがあります。特にヴィーガンでは、タンパク質以外にもビタミンB12、鉄、カルシウム、ヨウ素、ビタミンD、オメガ3系脂肪酸などを確認する必要があります。

ビタミンB12は植物性食品だけでは十分に摂りにくいため、強化食品やサプリメントの利用を検討します。サプリメントの種類や量は、製品表示や健康状態を踏まえて確認してください。

疲れやすさ、体重減少、食欲不振などが続く場合や、腎臓の病気などで食事制限を受けている場合は、自己判断でタンパク質量を増やさず、医師や管理栄養士に相談してください。

タンパク質を確保する1日の組み立て方

実践するときは、次の順番で食事を組み立てると分かりやすくなります。

  1. 体重を基に、1日のタンパク質目標量を計算する。
  2. 朝食、昼食、夕食、必要なら間食に目標量を分ける。
  3. 各食事に、豆腐・納豆・豆類・大豆ミート・テンペなどを1品以上入れる。
  4. 主食を米、パン、オートミール、パスタなどから選び、豆類や大豆製品と組み合わせる。
  5. 数日間、食品表示を見ながら実際のタンパク質量を確認する。
  6. 不足する場合だけ、植物性プロテインや豆乳などで補う。

最初からすべてを正確に計算する必要はありません。まずは「毎食にタンパク質源を入れる」ことを続け、体重や筋トレの進み具合、空腹感、疲労感を見ながら量を調整します。

筋トレをするヴィーガンは、体重1kgあたり1.6〜2.0g程度を出発点に、豆類・大豆製品・穀物・種実類を組み合わせて摂ると計画しやすくなります。食事だけで不足する場合は植物性プロテインを補助に使い、タンパク質以外の栄養素も合わせて確認することが大切です。