筋トレのPFCバランスは、1日の目標カロリーを決めてから、たんぱく質(P)・脂質(F)・炭水化物(C)の順に計算します。基本の計算式は、PとCが1gあたり4kcal、Fが1gあたり9kcalです。
筋肉を増やしたいのか、体脂肪を減らしたいのか、体重を維持したいのかによって目標カロリーと各栄養素の量は変わります。
筋トレのPFCバランスを計算する手順
次の順番で計算すると、PFCの目標量を決めやすくなります。
- 基礎代謝量と活動量から、1日の消費カロリーを推定する
- 目的に合わせて、目標カロリーを決める
- 体重を基準に、たんぱく質の量を決める
- 脂質の量を決める
- 残ったカロリーを炭水化物に配分する
1日の目標カロリーを決める
まず、基礎代謝量に日常生活や筋トレによる活動量を加えて、1日の消費カロリーを推定します。この消費カロリーは「TDEE」と呼ばれ、体重を維持するためのカロリーの目安です。
基礎代謝量の推定には、次のミフリン・セントジオール式が使われることがあります。
- 男性:10×体重(kg)+6.25×身長(cm)−5×年齢(歳)+5
- 女性:10×体重(kg)+6.25×身長(cm)−5×年齢(歳)−161
この基礎代謝量に、活動量を表す係数を掛けて消費カロリーを推定します。活動量の係数はあくまで目安で、実際の消費カロリーには個人差があります。
- 座って過ごす時間が長い:1.2前後
- 軽い運動を週に数回行う:1.35〜1.5前後
- 筋トレや運動を週に数回行う:1.5〜1.7前後
- 毎日激しく運動する:1.7以上になる場合がある
たとえば、基礎代謝量が1,600kcalで活動量の係数を1.55とすると、消費カロリーの計算は次のとおりです。
1,600kcal×1.55=2,480kcal
この場合、体重維持の目標カロリーは約2,480kcalが一つの目安になります。ただし、計算だけで正確な消費カロリーが分かるわけではないため、2〜4週間の体重変化を見て調整します。
目的別に目標カロリーを調整する
体重を維持したい場合は、推定消費カロリーを目標にします。筋肉を増やしたい場合は少し多め、体脂肪を減らしたい場合は少し少なめに設定します。
| 目的 | 目標カロリーの考え方 |
|---|---|
| 体重を維持 | 推定消費カロリーと同程度 |
| 筋肉を増やす | 推定消費カロリーより少し多め |
| 体脂肪を減らす | 推定消費カロリーより少し少なめ |
増量や減量で最初から大きくカロリーを変えると、体重だけでなくトレーニングの質や空腹感にも影響しやすくなります。まずは維持カロリーから小さく調整し、体重の変化を確認する方法が現実的です。
PFCの具体的な計算方法
たんぱく質(P)を計算する
筋トレをしている人のたんぱく質は、体重1kgあたり1.6〜2.2g程度を目安にする方法があります。目的やトレーニング量、食事全体によって適した量は変わるため、固定の正解ではありません。
体重70kgで、たんぱく質を体重1kgあたり2gに設定する場合は、次のように計算します。
70kg×2g=たんぱく質140g
たんぱく質は1gあたり4kcalなので、カロリーに換算すると次のとおりです。
140g×4kcal=560kcal
脂質(F)を計算する
脂質は、目標カロリーのうち一定割合を割り当てる方法が分かりやすいです。目安として20〜30%程度を設定し、極端に少なくしないようにします。
目標カロリーが2,500kcalで、脂質を25%にする場合は次のとおりです。
2,500kcal×25%=625kcal
脂質は1gあたり9kcalなので、グラム数に換算します。
625kcal÷9kcal=約69g
この場合、脂質は1日約69gが目安です。脂質の種類も考え、魚、ナッツ類、植物油、卵などさまざまな食品から摂ると、食事が偏りにくくなります。
炭水化物(C)を計算する
炭水化物は、目標カロリーからたんぱく質と脂質のカロリーを引いた残りで計算します。炭水化物は1gあたり4kcalです。
目標カロリー2,500kcal、たんぱく質140g、脂質約69gの場合は次のようになります。
- たんぱく質:140g×4kcal=560kcal
- 脂質:約69g×9kcal=約621kcal
- 炭水化物に使えるカロリー:2,500−560−621=1,319kcal
- 炭水化物:1,319÷4=約330g
したがって、この計算例のPFCバランスは、P140g・F約69g・C約330gです。
体重70kg・2,500kcalで計算したPFCの例
| 栄養素 | 設定 | カロリー換算 |
|---|---|---|
| たんぱく質(P) | 140g | 560kcal |
| 脂質(F) | 約69g | 約621kcal |
| 炭水化物(C) | 約330g | 約1,319kcal |
| 合計 | — | 約2,500kcal |
この例は、体重70kg、目標カロリー2,500kcal、たんぱく質を体重1kgあたり2g、脂質をカロリーの25%に設定した場合の計算例です。実際に必要な量は、性別、年齢、体脂肪率、運動量、目的などで変わります。
PFCバランスの割合で設定する方法
PFCをカロリー比で設定する場合は、たんぱく質・脂質・炭水化物をそれぞれ何%にするか決めます。ただし、筋トレをする人は、先にたんぱく質を体重から決めて、脂質を調整し、残りを炭水化物にする方法のほうが個人差に対応しやすいです。
たとえば、P20%・F25%・C55%で2,500kcalにする場合は、次のように計算します。
- P:2,500×20%÷4=125g
- F:2,500×25%÷9=約69g
- C:2,500×55%÷4=約344g
この方法では、たんぱく質が体重や運動量に対して十分かを別に確認する必要があります。割合だけを先に決めるより、たんぱく質は体重、脂質は必要量、炭水化物は残りという順番で計算するほうが扱いやすいでしょう。
計算したPFCバランスを調整する方法
計算したPFCは開始時の目標であり、毎日ぴったり合わせなければならない数字ではありません。体重、トレーニングの調子、空腹感を2〜4週間ほど確認し、必要に応じて調整します。
- 体重が想定より早く減り、トレーニングの力も落ちる:炭水化物などを少し増やす
- 体重が減らず、体脂肪も変わらない:摂取カロリーを少し減らす
- 筋トレ中に力が出にくい:トレーニング前後の炭水化物を見直す
- たんぱく質が目標に届かない:肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などを食事に加える
体重は食事量だけでなく、水分量、塩分、便通、筋トレ後のむくみなどでも変動します。1日だけの変化で判断せず、同じ条件で測った体重の週平均を比べると調整しやすくなります。
PFCを計算するときの注意点
食品表示の栄養成分は、商品やメーカーによって異なります。食材を計量する場合も、生の状態か加熱後かで重量が変わるため、毎回同じ基準で記録してください。
また、PFCだけを合わせても、野菜、食物繊維、ビタミン、ミネラル、水分が不足すると食事全体のバランスが崩れます。主食、主菜、副菜をそろえ、加工食品だけに偏らないようにします。
腎臓病などの持病がある人、妊娠中の人、医師から食事指導を受けている人は、自己判断で高たんぱく食や大幅なカロリー制限を始めず、医療者に確認してください。
筋トレのPFCバランス計算で迷ったときの結論
筋トレのPFCバランスは、目標カロリーを決める→たんぱく質を体重から計算する→脂質を決める→残りを炭水化物にするという順番で計算します。
まずは、たんぱく質を体重1kgあたり1.6〜2.2g程度、脂質を目標カロリーの20〜30%程度の範囲で設定し、残ったカロリーを炭水化物に配分すると始めやすくなります。その後、2〜4週間の体重推移とトレーニングの調子を見て、目標カロリーや炭水化物量を調整してください。







