筋トレで減量するための食事カロリーはどう設定する?

筋トレで減量するための食事カロリーはどう設定する?

筋トレをしながら減量する食事カロリーは、まず維持カロリーを推定し、そこから10〜20%、または300〜500kcal程度を引いて設定するのが基本です。急激に減らすと、筋トレのパフォーマンスや筋肉量に悪影響が出る可能性があります。

ただし、計算で出した数値はスタート地点です。体重の変化を2〜3週間確認し、減り方に応じて100〜200kcal単位で調整してください。

減量中の食事カロリーは「維持カロリー−10〜20%」で設定する

維持カロリーとは、現在の体重をおおむね維持できる1日の摂取カロリーです。筋トレをしながら減量する場合は、維持カロリーから10〜20%減らす方法が使いやすいでしょう。

  • 維持カロリーが2,000kcalの場合:1,600〜1,800kcal
  • 維持カロリーが2,500kcalの場合:2,000〜2,250kcal
  • 維持カロリーが3,000kcalの場合:2,400〜2,700kcal

減量幅を大きくするほど体重は落ちやすくなりますが、空腹感が強くなったり、トレーニングの重量や回数が落ちたりすることがあります。筋肉をできるだけ維持したい人は、まず10〜15%程度の控えめな赤字から始めると調整しやすいでしょう。

最初に維持カロリーを推定する方法

維持カロリーは、基礎代謝量に日常生活や運動を含めた活動量を掛けて推定します。ただし、計算結果は実際の消費カロリーを完全に示すものではありません。

基礎代謝量を計算する

一般的な推定式の一つに、ミフリン・セントジオール式があります。年齢、身長、体重、性別を使って基礎代謝量を推定します。

  • 男性:10×体重(kg)+6.25×身長(cm)−5×年齢(歳)+5
  • 女性:10×体重(kg)+6.25×身長(cm)−5×年齢(歳)−161

ここで出る数値は、安静にしていても使うエネルギーの目安です。これだけを1日の摂取カロリーにすると、活動量を考慮できないため、通常は維持カロリーとして扱いません。

活動量を掛けて維持カロリーを推定する

基礎代謝量に、日常生活と運動を含めた活動係数を掛けます。係数はあくまで目安で、実際の消費量には個人差があります。

活動量の目安 活動係数の例
座っている時間が長く、運動が少ない 1.2
週1〜3回程度の運動 1.35〜1.4
週3〜5回程度の運動 1.5〜1.6
高頻度の運動や身体活動が多い 1.7以上になる場合もある

維持カロリーの推定値=基礎代謝量×活動係数として計算します。筋トレをしていても、仕事や通勤で座っている時間が長い場合は、活動係数を過大に設定しないことが大切です。

計算例:減量用のカロリーを決める場合

以下は実際の個人の結果ではなく、計算方法を示すための仮定例です。

  • 体重:70kg
  • 身長:170cm
  • 年齢:30歳
  • 性別:男性
  • 活動係数:1.5

この条件で基礎代謝量を計算すると、次のようになります。

10×70+6.25×170−5×30+5=約1,648kcal

活動係数を1.5とした場合、維持カロリーの推定値は次のとおりです。

1,648×1.5=約2,470kcal

ここから15%減らすと、減量開始時の目安は次のようになります。

2,470×0.85=約2,100kcal

この場合は、まず1日約2,100kcalを2〜3週間続け、体重の平均値やトレーニングの状態を確認します。

減量ペースを見てカロリーを調整する

減量中は、毎日の体重だけでなく、1週間の平均体重で判断します。体重は水分、塩分、食事量、便通などでも変動するため、1日単位の増減だけではカロリー設定の良し悪しを判断しにくいためです。

筋肉をできるだけ維持しながら減量する場合、体重が1週間に約0.5〜1%減るペースが一つの目安になります。たとえば体重70kgなら、1週間に約0.35〜0.7kgです。ただし、体脂肪率やトレーニング歴によって適切なペースは変わります。

体重の変化 調整の目安
2〜3週間、平均体重がほとんど減らない 1日100〜200kcal減らすか、活動量を少し増やす
目標より速く減り、疲労や空腹感が強い 1日100〜200kcal増やすことを検討する
ゆるやかに減り、筋トレの状態も安定している 現在のカロリーを維持する

調整するときは、一度に大きくカロリーを変えず、変更後も1〜2週間程度は体重の平均値を確認します。女性は月経周期による体重変動もあるため、短期間の数値だけで判断しないほうがよい場合があります。

減量中のPFCバランスはどう設定するか

カロリーだけでなく、たんぱく質、脂質、炭水化物の配分も筋トレの質と筋肉の維持に関係します。PFCとは、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のことです。

たんぱく質は体重1kgあたり1.6〜2.2gを目安にする

筋トレをしながら減量する場合、たんぱく質は体重1kgあたり1.6〜2.2gを目安に設定できます。体重70kgなら、1日112〜154gが計算上の範囲です。

ただし、体脂肪率が高い人や体重が大きい人は、現在の体重だけで計算すると多すぎる場合があります。その場合は、目標体重や除脂肪体重を基準にする方法もありますが、除脂肪体重を正確に測れない場合は数値を過信しないでください。

脂質を極端に減らさない

脂質はホルモンや細胞膜などに関わる栄養素です。減量中でも極端に避けず、食品の種類と量を調整します。脂質の量を決める場合は、総カロリーの20〜30%程度を一つの目安にできます。

残りのカロリーを炭水化物に配分する

たんぱく質と脂質のカロリーを決めたら、残りを炭水化物に配分します。炭水化物は筋トレのエネルギーとして使われるため、トレーニングの重量や回数が落ちる場合は、食事のタイミングや配分を見直します。

計算では、たんぱく質1gは4kcal、炭水化物1gは4kcal、脂質1gは9kcalとして扱います。

炭水化物の量(g)=[総カロリー−たんぱく質のカロリー−脂質のカロリー]÷4

減量中も筋トレの強度をできるだけ保つ

カロリーを減らすだけでなく、筋トレでは扱う重量や回数をできるだけ維持します。減量中に筋トレの内容を大きく減らすと、筋肉を維持するための刺激が不足する可能性があります。

一方で、睡眠不足や強い疲労があるときまで無理に追い込む必要はありません。トレーニングの重量、回数、疲労感、睡眠時間を記録し、体重だけでなく体調も含めて調整してください。

カロリー設定で避けたい判断

  • 基礎代謝量をそのまま1日の摂取カロリーにする
  • 数日体重が減らないだけで、さらに大幅に食事を減らす
  • 体重が減ったことだけを見て、筋力低下や疲労を無視する
  • 週末の食事や飲酒を含めず、平日だけのカロリーで判断する
  • スマートフォンや機器が示す消費カロリーを正確な値として扱う

特に、平日は食事制限をしていても、週末の外食や間食で1週間の平均カロリーが維持カロリーを超えることがあります。判断するときは、1日ごとの数字だけでなく、少なくとも1週間の摂取量と体重平均を見ます。

筋トレで減量するためのカロリー設定の手順

  1. 年齢、性別、身長、体重から基礎代謝量を推定する。
  2. 仕事、通勤、歩数、筋トレの頻度を考えて活動係数を設定する。
  3. 基礎代謝量に活動係数を掛け、維持カロリーを推定する。
  4. 維持カロリーから10〜20%、または300〜500kcal程度を引く。
  5. たんぱく質を体重1kgあたり1.6〜2.2gを目安に確保する。
  6. 毎日の体重を測り、1週間の平均体重を記録する。
  7. 2〜3週間の変化を見て、必要なら100〜200kcal単位で調整する。

体重が減っていて、筋トレの状態や体調も大きく崩れていないなら、基本的にはそのカロリー設定を続けます。減量が止まった場合も、まずは記録漏れや活動量の変化を確認してから調整しましょう。

なお、持病がある人、妊娠・授乳中の人、成長期の人、過去に摂食障害の経験がある人は、自己判断で大幅なカロリー制限をせず、医師や管理栄養士に相談してください。

筋トレで減量する食事カロリーは、維持カロリーから10〜20%減らして始め、体重の平均値と筋トレの状態を見ながら少しずつ調整するのが基本です。最初から完璧な数値を求めるより、記録と見直しを続けて、自分の実際の変化に合わせることが重要です。