筋トレで増量するための食事カロリーはどう設定する?

筋トレで増量するための食事カロリーはどう設定する?

筋トレで増量するための食事カロリーは、まず体重が増減しない維持カロリーを把握し、そこへ1日あたり約200〜300kcal、または5〜15%を上乗せして設定します。増やしすぎると脂肪も増えやすいため、開始後は体重の変化を見ながら調整することが大切です。

増量時のカロリー設定は「維持カロリー+少し」が基本

維持カロリーとは、現在の体重をおおむね保てる1日の摂取カロリーです。増量では、この維持カロリーを基準にして、食事から摂るカロリーを少し増やします。

  • 増量を始める目安:維持カロリー+200〜300kcal
  • 体脂肪の増加を抑えたい場合:維持カロリーの約5%増
  • 体重を増やしにくい場合:維持カロリーの約10〜15%増

必要な上乗せ量は、体格、活動量、トレーニング頻度、現在の体脂肪量などで変わります。そのため、最初から大幅に増やすより、2〜3週間の体重変化を確認して調整する方法が現実的です。

維持カロリーを計算する方法

維持カロリーは、基礎代謝量に日常生活や運動による消費を加えて見積もります。ただし、計算値はあくまで開始時点の目安であり、実際の維持カロリーとはずれることがあります。

1. 基礎代謝量を計算する

代表的な方法の一つが、ミフリン・セントジオール式です。性別によって式が異なります。

  • 男性:10×体重(kg)+6.25×身長(cm)−5×年齢(歳)+5
  • 女性:10×体重(kg)+6.25×身長(cm)−5×年齢(歳)−161

ここで求められるのは、ほぼ動かずに過ごした場合に必要となる基礎代謝量の推定値です。これだけを1日の摂取目標にすると、活動量を反映できないため注意してください。

2. 活動量を反映して維持カロリーを見積もる

基礎代謝量に、日常生活と運動を含めた活動係数を掛けて、1日の消費カロリーを推定します。

活動量の目安 活動係数の例
座っている時間が長く、運動が少ない 1.2前後
軽い運動を週1〜3回程度行う 1.35前後
筋トレなどを週3〜5回程度行う 1.5前後
運動量が多く、日常の活動量も高い 1.7前後

計算式は、基礎代謝量×活動係数=維持カロリーの推定値です。活動係数は厳密な区分ではないため、通勤で歩く時間、立ち仕事、トレーニング時間なども考慮して選びます。

計算例:体重60kgの人が増量する場合

以下は、計算方法を示すための仮定例です。実際の必要カロリーや増加量を保証するものではありません。

仮に、30歳・身長170cm・体重60kgの男性で、筋トレを週3〜5回行うとします。

  1. 基礎代謝量を計算する
    10×60+6.25×170−5×30+5=約1,558kcal
  2. 活動係数を1.5として維持カロリーを推定する
    1,558×1.5=約2,337kcal
  3. 増量用に5〜15%、または200〜300kcalを上乗せする
    開始カロリーの目安は約2,500〜2,650kcal

この場合、まずは1日2,500kcal前後から始め、毎日の体重を記録します。体重がほとんど増えなければ、1日100〜150kcal程度を追加する方法が考えられます。

増量の体重目標は週0.25〜0.5%を目安にする

増量では、短期間で体重を大きく増やすより、体重の増加幅を抑えながら筋肉を増やすことを目指します。目安として、週あたり体重の約0.25〜0.5%の増加に収まるよう調整します。

体重60kgの場合、計算上の目安は次のとおりです。

  • 週0.25%:60×0.0025=0.15kg
  • 週0.5%:60×0.005=0.30kg

したがって、1週間で約0.15〜0.30kg増える程度を一つの目安にします。ただし、食事量や水分、塩分、便通によって体重は一時的に変動するため、1日だけの数値では判断しません。

体重は同じ条件で記録する

起床後やトイレの後など、毎回できるだけ同じ条件で体重を測ります。7日分の平均値を出し、前の週の平均値と比較すると、日ごとの変動に影響されにくくなります。

体重の変化 カロリー調整の考え方
2〜3週間ほぼ増えない 1日100〜150kcal程度を追加する
週0.25〜0.5%程度増えている 現在の摂取カロリーを続ける
目標を大きく超えるペースで増える 1日100〜150kcal程度を減らすことを検討する

この調整は、体重だけでなくトレーニングの記録やウエストの変化も合わせて判断します。体重が増えていても、筋力が伸びず体脂肪だけが急に増えている場合は、カロリーを上げすぎている可能性があります。

増量中の三大栄養素の設定

カロリーだけを増やすのではなく、たんぱく質、脂質、炭水化物の配分も整えると、トレーニングと食事を続けやすくなります。

たんぱく質は体重1kgあたり1.6〜2.2gを目安にする

筋トレを行う人のたんぱく質は、体重1kgあたり1.6〜2.2g程度が一つの目安です。体重60kgなら、1日約96〜132gが計算上の範囲になります。

一度にまとめて摂るより、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などを使い、1日数回に分けると食事に組み込みやすくなります。

脂質を極端に減らさない

脂質は1gあたり9kcalあり、少量でカロリーを増やせます。魚、卵、ナッツ、植物油などを利用すると、食事量を増やしにくい人でも調整しやすくなります。

ただし、脂質だけでカロリーを大幅に増やすと、食事全体のバランスが偏ることがあります。必要量を確保したうえで、残りのカロリーを炭水化物などに配分します。

炭水化物はトレーニングのエネルギー源にする

炭水化物は、米、パン、麺、いも類、果物などから摂れます。筋トレ前後の食事に炭水化物を取り入れると、トレーニングを行うためのエネルギーを確保しやすくなります。

たんぱく質を目標量まで摂り、脂質も極端に減らさないようにしたうえで、残ったカロリーを炭水化物で調整すると、計算しやすくなります。

食事量を増やしにくい場合の調整方法

一度に大量に食べる必要はありません。1日の食事を4〜5回に分けたり、主食や間食を少しずつ追加したりすると、無理なくカロリーを増やせます。

  • 毎食のご飯やパンを少し増やす
  • 間食にヨーグルト、牛乳、果物などを加える
  • 食事に卵、チーズ、ナッツなどを追加する
  • トレーニング後に主食とたんぱく質を含む食事を摂る

食欲が落ちているのに無理に食べ続ける、胃腸の不調を我慢する、といった方法は避けてください。体調不良が続く場合や、持病・食事制限がある場合は、医師や管理栄養士に相談する必要があります。

増量時にカロリーを設定するときの注意点

計算サイトやアプリで表示された数値は、出発点として使うものです。基礎代謝量や活動量の推定には誤差があるため、実際の体重変化を見て調整してください。

また、体重の増加がすべて筋肉になるわけではありません。増量の目的、現在の体脂肪、トレーニング経験によって、筋肉と脂肪の増え方は異なります。体脂肪を大きく増やしたくない場合は、少なめのカロリー上乗せから始めると判断しやすくなります。

筋トレの増量カロリーは体重の変化で調整する

増量時の食事カロリーは、維持カロリーを推定し、まず200〜300kcal程度を上乗せして始めるのが基本です。その後、毎日の体重ではなく週平均を2〜3週間確認し、増えなければ少し追加、増えすぎれば少し減らします。

最初に行うことは、現在の体重、食事カロリー、トレーニング内容を記録することです。体重の変化と筋力、ウエストなどを合わせて確認すると、自分に合う増量カロリーへ近づけやすくなります。